ルーンミッドガルドの首都プロンテラ プロンテラ城前(154,353)


[城の衛兵]
私は勇敢な冒険者を探すため、城から派遣されたものです
今は一刻も早く……

そうでなくても魔王モロクが復活し、大変な時期なのです

しかし!今、起こっていることは本当に大変な事なんです!

い、いいですか……お、落ち着いて、聞いてください


-衛兵は何とか落ち着こうとして、私に話しかける-


[城の衛兵]
じ、実は……ルーンミッドガッツの国王、トリスタン三世様が……


-私は衛兵の様子から、国王に何かただならぬことが起こったことを感じ取った-


[PC選択]
まさか、亡くなられた!?
またご結婚なさるとか?


[城の衛兵]
!!!!
す、既にご存知でしたか……ならばあえて説明させて頂く必要は無さそうですね……

そうです……トリスタン三世様が、お亡くなりになられました……

今、宮廷は次期国王を決める為の議論で、大騒ぎになっています
実に悲しい事ではありますが、この国の情勢を安定させるためにも
早期に新しい国王を決めなければならないのです!

この国の将来を考え、どうかあなたの力をお貸しください!


-城の衛兵は私に協力して欲しいと願い出た-
-私は成り行きではあったが、衛兵の願いを聞き入れた-



[城の衛兵]
プロンテラ城にいる審査官にお会いください
次期国王選出に協力をお願いいたします

私はしばらくここで、あなたの様な冒険者を探しますので

今の乱れた国政を安定させるためにもあなたのような方々の力が必要なのです!
どうか、ご協力をお願いいたします!


[PC]
(ひとまず、プロンテラ城で審査官を探そう……)



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内(117,163)


[審査官]
あの……何かご用ですか?ここは部外者が立ち入ってはならない所ですよ
御用がないならお引取り願います


[PC選択]
はい、わかりました
お城の衛兵の方から話を聞いて参りました


-目の前の男性は一瞬怪訝そうな顔で、私の顔を眺めた-


[審査官]
………………

城の衛兵は単に内容を伝えるだけであり、人を選定する者ではありません
城内へお通しするかどうかはこの私が判断させていただきます

フム……

あなたは十分に腕を磨いてきたようですね
実力としては……まあ……良いでしょう。合格です

しかし、我々が探している人物は戦闘経験が多ければ良いというわけではありません

何しろ次期王様になる王子を選ぶ大事な役割が与えられる人ですので
それ相応の人格も兼ね備えていなければなりません

今からあなたに簡単なテストを行いたいと思います
そんなに難しくないのでご安心ください。正直に答えるだけで結構ですので……

それでは、テストを始めます。よく聞いてお答えください

もしあなたがリーダーとなり戦いに出たとします
そこで戦いを前にして、一番大事と考えるものは何ですか?


[PC選択]
モンスターの強さと特徴
戦いの効率
獲得できるもの


[審査官]
戦闘中、戦力に損失が発生しました。あなたならどうしますか?


[PC選択]
とりあえずそのままやってみる
違う方法や場所を考える
即時に戦闘を中止し、戦力を補充する


[審査官]
戦いの末に拾得したアイテムは……


[PC選択]
あらかじめ決めておいたルールに従い分配する
別に分配は必要ない
必要な人に持たせる


[審査官]
メンバー中、完全に戦闘力を失った人がいるとしましょう
最も先に回復させるべき職業は?


[PC選択]
プリーストなどのヒール系
ハンター系
ロードナイト系


[審査官]
将来、友達にしたい冒険者は?


[PC選択]
強い人
経験が豊かな人
性格がいい人


[審査官]
今まで積んできた経験の中で、一番特になったと思う経験は何ですか?


[PC選択]
他人とのつながり
情報の習得
状況判断力と行動力


[審査官]
絶望に陥っている人を見かけたとして、あなたならどうやって慰めますか?


[PC選択]
「失敗は成功のもと」と言う
「落ち込んでいる暇はない」と言う
「あなたは一人ではない」と言う


[審査官]
今、心の中で一番叶えたい究極の願いは何ですか?


[PC選択]
自分の成長
世界の平和
真理の探求


[審査官]
あなたは無人島に漂流しました。最も持っていたいものは何ですか?


[PC選択]
地図
火打石
武器


[審査官]
次の中で一番好きな物語の種類はなんですか?


[PC選択]
男女のラブストーリー
ヒーローの武勇伝
神の伝承


[審査官]
初めての場所に行ってモンスターに遭遇しました。あなたはどういった行動を起こしますか?


[PC選択]
とりあえず戦う
遠く離れて観察する
逃げる


[審査官]
ルーンミッドガッツ王国において最も優先されるべき課題はどれですか?


[PC選択]
軍事力の増加と周辺国の制圧
経済と技術力の発展
秩序と政治の安定化


[審査官]
以上で人格審査は終わりです。今までのあなたは……

理性的な判断と周辺の調和力を持ち、平和な時間を過ごしてきたのでしょう

ふむ……
……なるほど
……そういうことですか


-審査官は一瞬考え込み、私のほうに向き直って語りかけた-


[審査官]
―――わかりました

テストの結果から、あなたは王子を評価するに相応しい人格を備えていると判断します

これよりあなたは正式に審査委員となります

お見受けしたときには大丈夫かと心配にもなりましたが、本当に素晴らしい方のようだ
今後とも、よろしくお願いいたします



[審査官]
準備は出来ましたか?
では、王子達に会う前に前もって覚えておく事や、気をつけて欲しい事項などを
説明させていただきます

質問がありますか?その質問の返答をしていきます
それでは、始めます


[PC選択]
具体的に何をすれば?
王様は本当に亡くなられた?
これは極秘任務ですか?
これ以上質問はありません


[審査官]
現在、各王子候補は7つの家門から一名ずつ選出されています
候補となる方々は後ほど紹介させていただきます

あなたには候補となる方と一人ずつ会っていただきます

お会いになったら、彼らに質問を投げかけ、人柄について調査してください

また、彼らの行動を観察し、その結果を私に報告してください

本来ならば、こういう問題は王家内で解決しなければならないのです

しかし、魔王モロクの復活により、各所で問題が多発しており、多忙を極めているのです
毎日、過労で倒れるものが後を絶たず、手に負えない状況です

こういった理由で、本来はありえないのですが
貴方の様な冒険者の方々を審査委員とし、時期の王様を決める事としたのです


[PC選択]
具体的に何をすれば?
王様は本当に亡くなられた?
これは極秘任務ですか?
これ以上質問はありません


[審査官]
何を疑っているのですか?いくらなんでも無礼ですよ
先程説明したとおり……病気で亡くなったのです……


[PC選択]
具体的に何をすれば?
王様は本当に亡くなられた?
これは極秘任務ですか?
これ以上質問はありません


[審査官]
勿論極秘任務です
本来、国王が亡くなったときは国民に公表しなければなりません
しかし、魔王モロクが復活し、国が乱れている現状では公表するわけにはまいりません


[PC選択]
具体的に何をすれば?
王様は本当に亡くなられた?
これは極秘任務ですか?
これ以上質問はありません


[審査官]
説明はこれくらいにしておきます
次は、王子の方々がいらっしゃる場所について、ご案内させていただきます

看護将校がいる部屋に行くと、警備兵が立っています
その警備兵は秘密のドアを守っていますので、話しかけてください

警備兵には後で私から、貴方を通すようにいっておきます

それと、何度も言いますが、これは国の大事にかかわる事です。慎重に進めてください

では、よろしくお願いいたします



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F(176,168)


-険しい顔で警備兵は私に話しかけた-


[秘密の場所の警備兵]
この裏にある秘密のドアを通れば王子達に会うことが出来ます
安全のため、誰にでも通れるようにはしてませんからね

――――では、ドアを開けましょう



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(300,276)内


[王子]
何者だ!!


-目の前の身分の高そうな男は突然の来訪者に威圧した声で叫んだ-


[王子]
ここに入れたという事は……例のドアの事を知っているのか?
もしや、冒険者の審査委員か!?


[PC選択]
はい


-私のことがわかると、厳しい表情を和らげた-


[王子]
そうか、疑ってすまなかったな。私はネリウス家出身のエリヒだ
まあ、王位継承候補ということになる。私のことはエリヒ王子と呼んでくれ

あなたの名前は?
いや――――やはり答えなくていい

私に関する質問があったら使用人のハーンスに聞いてくれたまえ。では、私は失礼する



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(300,276)内


[ハーンス]
はじめまして。私はエリヒ王子にお仕えしているハーンスと申します

本日はどのようなご用件でしょうか?


[PC選択]
王子が貴方に聞いてくれと……
特に何でもありません


[ハーンス]
エ、エリヒ様がですか?


[PC選択]
エリヒ王子についてお聞きしたい事があります


[ハーンス]
そうですか……ただ、王子様は正直な所、あまり王位には興味がないのです
元々、人間関係には興味がない方ですので

ただ、エリヒ様は変わったご趣味を持っておりまして
それだけは、本当にこだわっていらっしゃるんですよ


-私はこだわっているものが何か尋ねた-


[ハーンス]
それはですね、『錠』作りなんです。少し変わった方でしょう?

派手な服装などもお気に召さないため。一切しませんし
ここに移ってからは毎日、ずっと鍵ばかり作っているのです

あとはエリヒ様についてお伝えできることはありませんね

王位にはご興味がない方ですから、適当にご判断なさってもいいのではないでしょうか


-そういったハーンスにチラッとエリヒ王子が顔を向ける-


[ハーンス]
アッ、エリヒ様!ちゃんと手元を見ないと危ないですよ!
お気をつけください!お怪我でもなさったら大変です


[エリヒ]
…………


-エリヒ王子は手に持っていた鍵を再度見て、再び鍵の製作に戻った-


[ハーンス]
聞こえてませんよね……
ふぅ〜。こんなことをエリヒ様に知られたら大変です


-私は苦笑いを浮かべながらも立ち去ることにした-



[ハーンス]
はじめまして。私はエリヒ王子にお仕えしているハーンスと申します

本日はどのようなご用件でしょうか?


[PC選択]
王子が貴方に聞いてくれと……
特に何でもありません


[ハーンス]
他の王子様たちにもお会いになりました?


-使用人は私に質問したが、特に聞きたいことでもなかったのか話を続けた-


[ハーンス]
エリヒ様は話しかけても反応すらないことがあるのですよ



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(310,272)内


[王子]
ラララ〜。ラララ〜。ラララララ〜


-男がリズムを取って歌っている-

-ふと、歌うのをやめて私に話しかけてきた-


[王子]
あなたが私を判断する審査委員ですか?


-私は頷いた-


[王子]
フフフ……やはりそうでしたか。あなたは運がいいようですね

今日の私は気分がいいのです。あなたの目の前の私こそ、この国一番の可憐な花ユルゲン
そう、ユルゲン王子なのですよ


-そういうと、ユルゲンは私に恭しくお辞儀をした-

-私は呆気に取られながらユルゲン王子を見た-


[ユルゲン]
フフフ……あまりの出来事に言葉を失ってしまったようですね
私があまりに美しいので驚いてしまいましたか?

まあ、無理もないことです……庶民には到底、到達しえぬ高みなのですから


-ユルゲン王子は私の反応も待たず、話を続けていく-


[ユルゲン]
いいでしょう!
私は滅多に美しい声を他人に聞かせることはありませんが
今回だけ、特別にサービスをしましょう

さあ、なんでも質問しなさい
一度聞いたら忘れることが出来ないと思いますけど、私の透き通った声に卒倒しないように
何が聞きたいのですか?


[PC選択]
お育ちについて聞かせてください
国について聞かせてください
趣味について聞かせてください
いいです、また今度という事に


[ユルゲン]
幼い頃から、一際目立つ美しさを持っていました

そのため、数え切れない女性の方々から求愛を求められてきたのです

やがて、それがトラウマに……いつからか私は人を遠ざけるようになってしまったのです

ああ……美しさとは罪なのです

美しいと言うことはそれだけの代償を支払わなければならないのですよ

今は女性だけではなく、男性の方まで避けるようになってしまいました
いつの間にか消極的な性格になったのかもしれませんね


[PC選択]
お育ちについて聞かせてください
国について聞かせてください
趣味について聞かせてください
いいです、また今度という事に


[ユルゲン]
国民は各自の仕事をしっかりとやり遂げる
そのことがやがてこの国を安定させる基盤となるでしょう

私が国王になれば、私の美しさによって、国が繁栄することは間違いありません

こんなに美しく気品高い国王が世の中にいると言うことだけでも
国民達の希望となり、光になるのです!


[PC選択]
お育ちについて聞かせてください
国について聞かせてください
趣味について聞かせてください
いいです、また今度という事に


[ユルゲン]
もちろん、この美貌を保つことですよ

私の美貌は何者にも変えられないのです
人として生きているのであれば、美しさを追求することは当たり前のことですよ

それにしても、あなたは精神力が鍛えられているようですね
私の前でよく平然としている。絶対に正常な感覚ではない
もしかして、何かの病気にでもかかっているのですか


[PC選択]
お育ちについて聞かせてください
国について聞かせてください
趣味について聞かせてください
いいです、また今度という事に


[ユルゲン]
あなたは精神力が強いようですね
私の美貌をこんなに長い時間見ていて気を失うことがないなんて



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(318,276)内


-私は王子と思われる男に話しかけた-


[王子]
新しい審査委員か?


-私は簡単に説明した-


[王子]
そうか。ではよろしく頼む
俺はバルター家の王子、アイゼン・アルムだ。アルム王子と呼んでくれ

さて、質問があるんだったな。質問はできるだけ簡単にしてくれ


-何を聞いてみようか-


[PC選択]
お育ちについて聞かせてください
ご自分の国について教えてください
趣味は何ですか?
いいえ、今度にしましょう


[アルム]
俺は幼い頃から好奇心が旺盛でね、じっとしてはいられなかった
王族には相応しくないとか、周囲には散々言われてきたかもしれないな

まあ、大概はその人だけが言っていたかな
大事なのは自分自身の信念だ。信念さえちゃんと持っていればそれに相応しい結果も当然生まれる

家庭はそれほど大事ではない。結果がすべてを左右するのだ!
………
すまん、少し話がそれたようだ

―――とにかく。俺は信念が固いな
いつか、皆から誇りに思われる、そんな人になりたいんだ


-何を聞いてみようか-


[PC選択]
お育ちについて聞かせてください
ご自分の国について教えてください
趣味は何ですか?
いいえ、今度にしましょう


[アルム]
理想の国家……童話の世界のように穏やかで、平和な世界は……実に、難しい事だ
しかし、不可能ではない話でもある

競争があってこそ、発展が生まれる。すなわち、競争から貧富のさも当然出てくるのだ
だが、その差をなくす事に大きな意味があると信じている

どんな出身にも関係なく、誰でも王になれる社会が
俺が求める真の国家だ

仮に能力があるものが認められる国家になったとしても
この俺が王になることは決まっているのだ!俺に敵う者などいるわけがない!
ハーッハッハッハッハ!


-アルム王子は豪快に笑った-

-何を聞いてみようか-


[PC選択]
お育ちについて聞かせてください
ご自分の国について教えてください
趣味は何ですか?
いいえ、今度にしましょう


[アルム]
俺は幼い頃から活発な性格だったからな〜
じっと座ってカードをしたり、話をしたりするのは性に会わないのさ
そんな事は学者達がやることだ

もし、王になったとしても書類とにらめっこする時間などは一生ないだろうよ


-何を聞いてみようか-


[PC選択]
お育ちについて聞かせてください
ご自分の国について教えてください
趣味は何ですか?
いいえ、今度にしましょう


[アルム]
そうか。では今度と言うことで……



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(330,272)内


-怪訝そうな顔で男が見つめてくる-

-目の前の男は私の振る舞いに目を凝らした-


[王子]
新しい審査委員か?まあ、よくも次々と来るもんだな!


-目の前の身分の高そうな男は言葉を吐き捨てるように私に不満の声をあげた-


[王子]
俺様はヘルムト王子だ!他の軟弱な王子と一緒にするなよ!


-私の他にも多くの審査委員が来ているようだ-


[ヘルムト]
では早く済ませろ!小難しい話はなしだ!本題から話すがよい!


-何の質問をしようか?-


[PC選択]
お育ちについてなど……
一応、意気込みを……
国に対する考えとか……
とりあえず他の王子に会ってからにしよう


[ヘルムト]
他の王子達はどうだったか知らないけどな
聞かれて答えるのは俺の趣味じゃないね

お前は黙って俺様が言うことを聞けばいいのだ!

分かっているのか!?余計なことを考えるな!


-私はとりあえず頷いておいた-


[ヘルムト]
不満があれば、貴様のようなものが王子をやればいい!
俺も本当はこんなことをしたくはないんだ!

俺様はベンブルク家のヘルムトだ
好きなのは戦場で血のにおいを嗅ぐ事だ。あと祭りごとは大好きだな

嫌いなことは建前やおしゃべりだ
言葉をたくさんしゃべる奴は嫌いだから貴様も気をつけることだな

通常ならみんな、こんな時には綺麗事を言うだろうが、俺様は違う

国王になったら、すぐに軍隊を集め、大陸全土を掃除してやるかな
民を苦しめるモンスターをこの世から一掃してやるのだ!

久しぶりに熱くなってしまった
ウム……喋りすぎたらしい。少し喉が渇いた

おい!カルベルン!ビールをもってこい!冷えたビールだぞ!


-私は「まだ話をするつもりなのか」と彼のことを眺めていた-


[ヘルムト]
何を見ている?俺様の話は終わったぞ。十分すぎるほど話したからな!
貴様の用は済んだ。すぐに立ち去れ!



-怪訝そうな顔で男が見つめてくる-

-目の前の男は私の振る舞いに目を凝らした-


[王子]
新しい審査委員か?まあ、よくも次々と来るもんだな!


-目の前の身分の高そうな男は言葉を吐き捨てるように私に不満の声をあげた-


[王子]
俺様はヘルムト王子だ!他の軟弱な王子と一緒にするなよ!


-私の他にも多くの審査委員が来ているようだ-


[ヘルムト]
では早く済ませろ!小難しい話はなしだ!本題から話すがよい!


-何の質問をしようか?-


[PC選択]
お育ちについてなど……
一応、意気込みを……
国に対する考えとか……
とりあえず他の王子に会ってからにしよう


[ヘルムト]
他の王子達はどうだったか知らないけどな
聞かれて答えるのは俺の趣味じゃないね

お前は黙って俺様が言うことを聞けばいいのだ!

分かっているのか!?余計なことを考えるな!


-私はとりあえず頷いておいた-


[ヘルムト]
不満があれば、貴様のようなものが王子をやればいい!
俺も本当はこんなことをしたくはないんだ!

俺様はベンブルク家のヘルムトだ
好きなのは戦場で血のにおいを嗅ぐ事だ。あと祭りごとは大好きだな

嫌いなことは建前やおしゃべりだ
言葉をたくさんしゃべる奴は嫌いだから貴様も気をつけることだな

通常ならみんな、こんな時には綺麗事を言うだろうが、俺様は違う

国王になったら、すぐに軍隊を集め、大陸全土を掃除してやるかな
民を苦しめるモンスターをこの世から一掃してやるのだ!

久しぶりに熱くなってしまった
ウム……喋りすぎたらしい。少し喉が渇いた

おい!カルベルン!ビールをもってこい!冷えたビールだぞ!


-私は「まだ話をするつもりなのか」と彼のことを眺めていた-


[ヘルムト]
何を見ている?俺様の話は終わったぞ。十分すぎるほど話したからな!
貴様の用は済んだ。すぐに立ち去れ!



-怪訝そうな顔で男が見つめてくる-

-目の前の男は私の振る舞いに目を凝らした-


[王子]
新しい審査委員か?まあ、よくも次々と来るもんだな!


-目の前の身分の高そうな男は言葉を吐き捨てるように私に不満の声をあげた-


[王子]
俺様はヘルムト王子だ!他の軟弱な王子と一緒にするなよ!


-私の他にも多くの審査委員が来ているようだ-


[ヘルムト]
では早く済ませろ!小難しい話はなしだ!本題から話すがよい!


-何の質問をしようか?-


[PC選択]
お育ちについてなど……
一応、意気込みを……
国に対する考えとか……
とりあえず他の王子に会ってからにしよう


[ヘルムト]
他の王子達はどうだったか知らないけどな
聞かれて答えるのは俺の趣味じゃないね

お前は黙って俺様が言うことを聞けばいいのだ!

分かっているのか!?余計なことを考えるな!


-私はとりあえず頷いておいた-


[ヘルムト]
不満があれば、貴様のようなものが王子をやればいい!
俺も本当はこんなことをしたくはないんだ!

俺様はベンブルク家のヘルムトだ
好きなのは戦場で血のにおいを嗅ぐ事だ。あと祭りごとは大好きだな

嫌いなことは建前やおしゃべりだ
言葉をたくさんしゃべる奴は嫌いだから貴様も気をつけることだな

通常ならみんな、こんな時には綺麗事を言うだろうが、俺様は違う

国王になったら、すぐに軍隊を集め、大陸全土を掃除してやるかな
民を苦しめるモンスターをこの世から一掃してやるのだ!

久しぶりに熱くなってしまった
ウム……喋りすぎたらしい。少し喉が渇いた

おい!カルベルン!ビールをもってこい!冷えたビールだぞ!


-私は「まだ話をするつもりなのか」と彼のことを眺めていた-


[ヘルムト]
何を見ている?俺様の話は終わったぞ。十分すぎるほど話したからな!
貴様の用は済んだ。すぐに立ち去れ!



-怪訝そうな顔で男が見つめてくる-

-目の前の男は私の振る舞いに目を凝らした-


[王子]
新しい審査委員か?まあ、よくも次々と来るもんだな!


-目の前の身分の高そうな男は言葉を吐き捨てるように私に不満の声をあげた-


[王子]
俺様はヘルムト王子だ!他の軟弱な王子と一緒にするなよ!


-私の他にも多くの審査委員が来ているようだ-


[ヘルムト]
では早く済ませろ!小難しい話はなしだ!本題から話すがよい!


-何の質問をしようか?-


[PC選択]
お育ちについてなど……
一応、意気込みを……
国に対する考えとか……
とりあえず他の王子に会ってからにしよう


-私は質問するのをやめた-


[ヘルムト]
何だ!?話すこともないのにここに来たと言うのか!自分勝手な奴だ!
貴様の相手などするのではなかった。損をしたではないか!

勝手にするがよい!


-ヘルムトは私から目線をはずし、使用人の名前を呼んだ-


[ヘルムト]
おい!カルベルン!

ビールだ!冷えたビールを持って来い!



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(330,272)内


[カルベルン]
こんにちは。私はヘルムト王子様の付き人カルベルンと申します


[ヘルムト]
おい!カルベルン!

ビールだ!冷えたビールを持って来い!


[カルベルン]
す、すみません……ヘルムト様が呼んでおりますので、では、失礼します



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(336,276)内


[王子]
はじめまして。審査員の方ですね?
僕はゲオルグ家の王子、エルンストです

人を評価する事って本当に大変なことだと思います
あなたが少しでも楽に審査ができるようできる限り協力させて頂きますよ

宜しければ、そちらの椅子に腰掛けてお聞きください


-私は失礼になるかもしれないと思い、丁重にお断りした-


[エルンスト]
そうですか。座りたくなったらすぐ言ってくださいね
どうぞ、宜しくお願いします


-私は礼儀正しいが、隙が多そうなエルンスト王子に少しだけ戸惑った-

-では、何を聞いてみようか-


[PC選択]
では、お育ちについてお聞きします
国に関してお聞かせください
趣味は何ですか?
後でまた来ます


[エルンスト]
育ちですか……分かりました。お話しましょう
僕は幼い頃から王家の教育を受け、厳しく育てられました

常に礼儀を大事にしていたせいか、時々小心者扱いされることもあります
ただ、自分では無礼な人よりはいい事だと思っていますよ

話が少し変わりますが……
アルム兄さんが言っているような、「過程より結果が大事」という事とは
正反対の価値観で生きてきたように思います

しかし、近頃はそうじゃないと感じています

「過程や結果は両方とも大事」そういうことなんだと思います


-では、何を聞いてみようか-


[PC選択]
では、お育ちについてお聞きします
国に関してお聞かせください
趣味は何ですか?
後でまた来ます


[エルンスト]
一つの国が成り立つには……たくさんの人の力が必要だと思います

国民は一人ひとりが王であり、その国民を一体とする者こそが
現在の国王になるものなのだと信じています

ちなみに、アルム兄さんのような師匠のような方々が
大勢いる環境にいたことはとてもありがたく思っています


-では、何を聞いてみようか-


[PC選択]
では、お育ちについてお聞きします
国に関してお聞かせください
趣味は何ですか?
後でまた来ます


[エルンスト]
そうですね……熱中していると言うほどのものではありませんが、読書を嗜んでますね
僕は主に、読書から多くの知識を学んでいます

あと、人と話し合うことでも色んなことを学べますね
人は十人十色ですから。自分には無い良い物を色々と学ばせていただいています


-では、何を聞いてみようか-


[PC選択]
では、お育ちについてお聞きします
国に関してお聞かせください
趣味は何ですか?
後でまた来ます


[エルンスト]
わかりました。では、今度にしましょう
わざわざ来ていただき、ありがとうございました



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(348,272)内


[王子]
やあ、こんにちは。審査委員の冒険者の方ではないか

私は冒険が大好きでね
まあ私の場合、小うるさい爺がついてくるので、それさえなければ……という話なんだがね

私の名前はポー、リハルト家の王子だ。これから宜しく―――

――する前に!冒険者としてのキミの腕を一つ試させてもらいたい

なーに、簡単なゲームだよ。このゲームでキミの直観力をテストするだけだ

ルールを説明しよう
今、私が持っているカードには1〜13までの数字が書いてある


-そう言うと、ポー王子は13枚のカードを私に見せた-
-カードには1〜13までの数字が順番に書かれている-
-重複しているカードはないようだ-


[ポー]
わたしはこれから、このカードを裏にしてからシャッフルし
数字が見えない状態で1枚カードを引く

キミには私が引いたカードの数字が7より高いか、7より低いか、どちらかを言い当ててもらう
言うまでも無く、7が真ん中のカードだ

予想が間違った場合はそこで終了となる。さあ、わかったかい?


-私はこくんと頷いた-


[ポー]
ああ、そうそう。7が出た場合は、引き分けとなり、引いたカードを戻して再度やり直しだ

まあ、ゲームは2回戦行って、引き分けの際にはもう一回戦行うと言うことだ
2回連続の政界を目指してくれ。それでは、スタートだ!


-ポー王子が13枚のカードをシャッフルしてカードを1枚引いた-


[ポー]
さあ!高い数字と低い数字どちらだと思う?


[PC選択]
高い数字!
低い数字!


[ポー]
高い数字を選んだか……さて、私のカードは!

これだ

カードの数字:11

ほお……当たりだ。運がいいな。だが、まだもう一回残っている


-ポー王子が13枚のカードをシャッフルしてカードを1枚引いた-


[ポー]
さあ!高い数字と低い数字どちらだと思う?


[PC選択]
高い数字!
低い数字!


[ポー]
高い数字を選んだか……さて、私のカードは!

これだ

カードの数字:3

ほお……当たりだ。これで2回目か

よし!キミのように直観力が高まり、運も良い冒険者になら、私の話をしてもよさそうだな
さて、何が知りたい?


[PC選択]
それでは、お育ちについて……
ご自分の国について教えてください
趣味は何でしょうか
いいえ、また今度にします


[ポー]
育った環境か……幼少のころは殆ど覚えていなくてね

まあ、覚えていないなりに簡単に言うと
数え切れない挑戦、数え切れない冒険、数え切れない勝負
そのすべてを勝ち進んできた――

って感じかな?ハッハッハッハッハ!

そうだな……カードゲームに例えるのであれば
例え悪いカードばかりしかなくても、絶対諦めないってことさ
キミも同感してくれると信じているよ


[PC選択]
それでは、お育ちについて……
ご自分の国について教えてください
趣味は何でしょうか
いいえ、また今度にします


[ポー]
ふむ、国のことか……国というものは、民の自由を保障するため
最低限の経費だけは支払う義務がある

人なら誰でも、自分の夢や考えを活かせるチャンスが必要だ
もし国がそれを阻むようなことをするのであれば、それは良くない事だ

私が国王になったら、今、国民を苦しめている規制の緩和を先ず第一に行う
もちろん他の人に迷惑がかからない範囲内での話だ

私の家門もそうなんだが、まずは今までの固定概念、価値観を捨てて
新しいことを多く取り入れていくことが必要なんだろうな


[PC選択]
それでは、お育ちについて……
ご自分の国について教えてください
趣味は何でしょうか
いいえ、また今度にします


[ポー]
よく聞いてくれた!私が好きなのは、何でもいいから常に新しいことに挑戦することだ!
まあ、新しいことがすきなんだよ

私はこういった考え方を持っているが、周りにいるものはそうではない人々が多くてね
もう少し自由の意味を考えた方がいいと思うのだが、なかなか上手くいかなくてね


[PC選択]
それでは、お育ちについて……
ご自分の国について教えてください
趣味は何でしょうか
いいえ、また今度にします


[ポー]
話は以上かな。今度会うときは、もう少し面白いことを話したいな
ハッハッハッハ!



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(354,276)内


[王子]
はじめまして。審査員の方ですね。私はハイネン家のピーターです
お会いできて光栄ですよ

それでは、なにからお話しましょうか?


[PC選択]
お育ちについて聞かせてください
ご自分の国について教えてください
趣味は何ですか?
いいえ、こんどにしましょう


[ピーター]
育ちについてですか……そうですね


-ピーター王子は一呼吸置いて話し始めた-


[ピーター]
えーと、私の一族はあまり裕福ではなかったのです
でも、そのおかげで今は、民の間に起こる貧富の差や
その苦しみ、細かい部分の理解ができるようになりました

私の場合、裕福でなかったことは幸運だったと思っています
今は感謝していますよ


[PC選択]
お育ちについて聞かせてください
ご自分の国について教えてください
趣味は何ですか?
いいえ、こんどにしましょう


[ピーター]
間違いなく、国を動かしている原動力は国民です
国は国民一人一人が、自分の力を十分に発揮できるよう
環境づくりをすることが大事だと考えています

そう、国は国民がいてこそ成り立つものなのです

そのためにも、貧富の差をなくすことが大事です
そこから、自然に競争意識も出てくるでしょうし
競争が生まれることで、国力も大きくなっていくと思います


[PC選択]
お育ちについて聞かせてください
ご自分の国について教えてください
趣味は何ですか?
いいえ、こんどにしましょう


[ピーター]
特に自慢できる程の物ではないのですが……趣味で、よく本を読んでいます


[PC選択]
お育ちについて聞かせてください
ご自分の国について教えてください
趣味は何ですか?
いいえ、こんどにしましょう


[ピーター]
あ、質問はこれで終わりですか?


-私は丁寧に質問が終わったことを伝えた-


[ピーター]
でしたら……ちょっとだけ、私の話を聞いてくださいませんか?


-私は軽く頷いた-


[ピーター]
私は髭を生やす趣味などありませんでした
しかし、あるきっかけによって、その日以来、考えが変わったのです

そのきっかけというのは、ある名も知らぬ少女からの手紙だったのです
その少女が書いていた内容に「髭を生やしたほうが、よりピーター様らしくなります」とあったのです

私が何より嬉しかったのは、自分を見てくれている人がいた事なのです
そこで、と言っては何なのですが、あなたにお願いがあるのです

花束を一人の少女へ渡しに行っていただけませんか?
「ありがとう」という言葉も一緒にお願いしたいのです


-私はふと疑問に思ったことをピーター王子に告げようとした-


[ピーター]
――ああ、不思議に思うのも無理はありませんね
なぜ、使いの者などに行かせないのか疑問に思っているのでしょう?

しかも、今会ったばかりのあなたにこんなことを任せようとしているなんて
どうしてなんだろうとね

それは、もっともな疑問です
私は一度、この少女に花束を贈ろうとしたことがあるのですよ

ただ……そのときの使いのものは少女を見つけることができなかったのです……

でも、不思議とあなたなら、この少女を見つけられるかも知れないと――
――先程会ったときにそう思ったんですよ

お願いできますか?


[PC選択]
分かりました
今はちょっと忙しいので……


[ピーター]
ありがとうございます!
そういえば、あのとき使いの者は北の国境付近の都市に行ったと言っていました
何かの参考になるといいのですが……では、宜しくお願いします


[PC]
(北の国境付近の都市か……)



国境都市アルデバラン(132,184)


-水辺のほとりで少女がのんびりと、紙にペンをはしらせている-


[PC]
(あの子がピーター王子が探していた少女?)


-私は少女に声を掛けた-


[少女]
わぁ!ピーター様からの花束なの!?う〜ん。いい香り!


-私はピーター王子の「ありがとう」と言う言葉を少女に伝えた-


[少女]
きっとあなたはピーター様と親しい仲なんですね
もしピーター様に会ったらとても嬉しかったと伝えてください


-少女は突然の出来事に驚きながらも、ピーター王子の花束を見つめていた^


[少女]
そうだ、早く花瓶に飾らないと!ラ〜ラ〜ラ〜


-少女は歌いながら微笑んでいた-



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(354,276)内


[ピーター]
少女がこんなに喜ぶとは……よかったです
今すぐ会ってみたいですが、もう少し落ち着いてからにしましょう……

とにかく、ありがとうございました。ご迷惑をおかけしました
少ないですが、これは私からのお礼です。どうぞ受け取ってください



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(318,276)内


[アルム]
やあ、あんたか


-アルム王子は私を見て挨拶をしてくれた-


[アルム]
エルンは元気にしていたか?あいつは何をやるにしても真面目だからな
俺が言うのもなんだが、エルンは問題を起こすようなことはしないよ


-私はエルンとアルムの関係が気になった-


[アルム]
ん?エルンとの関係?あいつは子供の頃からよく遊んでいてね
気兼ねなく話せるんだ。本当に立派な弟さ

昔から色々とやってきたが、いつも一緒だったよ
まあ、エルンはいつも付き合ってくれるんだろうけどな。俺と違って、エルンは情に厚いんだ

それに、エルンは頭がいい。皆はそれに気がついていない
でも、俺にはわかってる。エルンは本当にいい奴だよ



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(336,276)内


[エルンスト]
ご苦労様です。審査委員さん。人の評価って大変なことですよね



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(318,276)内




-アルム王子とエルンスト王子が話をしていた-


[アルム]
誰が王になったとしてもこの国を世の中で一番素晴らしく、美しい国にしてみせる!
そうだろ、エルン


[エルンスト]
そうだね!僕たちならきっとやり遂げられる
兄さんと一緒なんだから、必ずできるって信じてるよ!

僕たち二人なら絶対やり遂げられる。兄さんと僕なら絶対できる!


[アルム]
もしもの話だが……俺が悪の道に進もうとしたら、迷わず俺を殺してくれ


[エルンスト]
兄さん、そんな事はおきないよ。余計なことは考えないで大丈夫だよ


[アルム]
エルン、例えばの話だ。念には念をと言うじゃないか


[エルンスト]
わかったよ。兄さんは心配性だね。これからも頑張っていこう!


[アルム]
あ、審査委員の方が来たな。丁度いい


-アルム王子は私に向かって口を開いた-


[アルム]
今、俺達兄弟は約束をしたんだ
どちらか一人でも悪い道に進むときは、片方の人間がもう片方を殺すと


-アルム王子は真剣なまなざしで約束したことを口にした-


[エルンスト]
に、兄さん?


[アルム]
ともかく、あんたが証人になってくれ。これも立派な審査の一部だろ


[エルンスト]
そ、そんな、いきなり過ぎるよ。兄さん……審査の方にも立場と言うものが……


-私は突然のことに驚き、黙っていた-


[アルム]
沈黙ってことは、了解してくれたってことだな


-私はなんともいえない表情で頷くしかなかった-


[アルム]
ほーら、受け入れてくれるじゃないか。エルン、お前は考えすぎなんだよ


[エルンスト]
すみません、審査委員の方。気にしないでくださいね
あんな約束、意味は無いんですから

では僕は自分の部屋に戻りますので……審査、頑張ってください



[アルム]
そういえば、俺の一族の者がここに来ている話を聞いたのだが、まだ来ないようだな
まあ、いつものように小言でも言いに来たのかもしれんがな



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋 応接間(221,343)


[中年の貴族]
心配しなくてもいいのです。我らのアイゼン・アルムが国王に選出さえすれば
リカルト家は自然と第2の有力候補になりますから


[リハルト家の人]
一番人望と権力を備え持つアイゼン・アルム様の一族の方から
そこまでして頂けるなんて、何と申したらいいものやら。大変な栄誉でございます


[バルター家の人]
アイゼン・アルム様も有力ではありますが、ゲオルグ家の王子様も相当な実力があるのでは
ありませんか。お互い様でしょう

ところで例の件……エルンスト往時の毒殺計画……順調に進んでいるでしょうね?


[リハルト家の人]
ハハッ!ご心配なく!絶対に見分けもつかない猛毒を用意しております!
後は時を待つのみ……


[バルター家の人]
エルンスト王子さえ亡くなればアイゼン・アルム王子が国王に選ばれることは明白
その後は……


[リハルト家]
二つの家門でこの国を操れる時代が……フフフ……


[バルター家の人]
とにかく……あと少しで家門の復活がなる!ことは慎重に運ぶことです
誰にもこの計画が漏れないように。徹底して行わなくてはなりません


[リハルト家の人]
そうです!すべてはルーンミッドガッツ王国の栄光のため!


[バルター家の人]
全てはルーンミッドガッツ王国の栄光のため!

しっ!誰か来る!では、後をよろしく頼みます


[リハルト家の人]
はい、わかりました


[PC]
(バルター家はアイゼン・アルム。リハルト家はポーか……)

(二つの家門の密談か……いや、それよりエルンスト王子の毒殺って!?)



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(318,276)内


[アルム]
やあ、あんたか


-アルム王子は私を見て挨拶をしてくれた-


[アルム]
それにしても、最近は俺の所に良く来るじゃないか
国のためとはいっても、そんなに来る必要があるのか?


[PC選択]
実はバルター家の方が……
たしかに……また今度にしましょう


-私はバルター家の方にお会いしたことを伝えた-


[アルム]
おお!それは本当か?

でもおかしいな、いつ来たんだ?いつもなら小言の一つも言っていくはずなんだが


-私はバルター家の方が話していた内容を伝えた-


[アルム]
ルン……を毒殺…する……だと……

な、何を考えているんだ!?そ、その話!本当なんだろうな!嘘じゃないんだろうな!


-アルム王子はあまりのことに動揺したのか、怒りながら私に詰め寄った-

-私はバルター家とリハルト家の方がエルンスト王子の毒殺について密談していたことを伝えた-

-アルム王子が肩を落として押し黙る-


[アルム]
……
…………
なぜ……なんだ……


-アルム王子は呆然としている-


[アルム]
すまないが……しばらく一人にしてくれないか。なぜ……俺の……



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(336,276)内


[エルンスト]
あ、こんにちは。審査委員さん。お元気そうで何よりです
でも、無理は禁物ですよ。体は大事にしてください


-エルンスト王子は気さくに挨拶してくれた-


[エルンスト]
僕からはもうお話できることは無いと思いますよ
でも、日ごろのことならお話できるかもしれませんね

あ……そういえば、ちょっと気になることがあるんです
アルム兄さんのことなんですけど、最近、兄さんの様子がおかしいんです

妙にキョロキョロしてて、食事の時なんか、僕の料理を先に食べてしまうことがあるんですよ

飲み物だって、いつの間にか兄さんが飲んでいることがあるんです
まあ……昔の兄さんは僕にいたずらをすることもありましたけど……

でも、最近の兄さんはちょっと違うんです。気のせいだといいのですが……


-私はエルンスト王子に毒殺のことを話すべきかためらってしまった-



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(318,276)


-アルム王子の部屋に入る前に中から声が聞こえた-


[アルム]
お、俺に資格などあるはずが無い

王が一体なんだと言うのだ!何が美しい世界だ!
そんな……そんなものが、あるわけないではないか!


-私は黙って扉を開けた-



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(318,276)内


[アルム]
すまないが……しばらく一人にしてくれないか…………もはや……


-アルム王子は落ち込んでいる-



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内(117,163)


[審査官]
審査委員の方ですね。どうです、問題はありませんか?
何しろ王子は7人もいますからね。簡単ではありません


-私は7人の王子に関して調査したと伝えた-


[審査官]
もう7人王子に関する調査を済ませているのですか
なるほど……あなたはとても優秀な方のようですね

それでは、早速ですが、7名の王子についてお話をおきかせください


-私は各王子についての話を審査官に報告した-


[審査官]
そうでしたか……本当に、ご苦労様でした。大変参考になります……

そういえば……最近バルター家のアイゼン・アルムによくない噂が流れていますね……
もう一度、各王子を中心に調査をお願いします

申し訳ありませんが、もう一度、調査をお願いします



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(300,276)内




[アルム]
エリヒ、お前も馬鹿な奴だ。お前は一生かけても王にはなれん!


[エリヒ]
貴様が言うのか
私は王になるつもりなど初めから無かったが、そういわれると流石の私もいい気分ではない
あまりも無礼ではないかね?


[アルム]
もう、うんざりなんだよ!王位を争うことなんて!
俺は全てが嫌になった!誰かを踏み台にして王になって何になる!


[エリヒ]
まあ、間違ってはいないと思うが、時には世の中の仕組みに従うべきときもあるものだ
貴様に言われるまでも無い

貴様の一族を考えても、こんな侮辱的な行為をしている場合ではないはずだがな
アルム、恥を知れ!それでよく王子になどなれたものだ


[アルム]
そう、俺は一族の恥さ。ハーッハッハッハッハ!好きに言うがいい!

しかし、そういうお前も資格などありはしない!
ただ王になるため、そうやって格好をつけているだけではないか!


[エリヒ]
何だと!?……


[アルム]
しかも、俺は知っているぞ、貴様が錠前を作る為、無駄に消費した資金をな!


[エリヒ]
!!


[アルム]
お前は上手く隠したと思っているだろうが、俺は知っている!
お前の道楽が本当は度を過ぎていることをな!

職人気取りもいい加減にしろ!貴様の趣味で国を滅亡させるつもりなのか!


[エリヒ]
そ……それ以上言うんじゃない!貴様……今何を言っているのかわかっているのか!


-エリヒ王子は明らかに動揺していた-


[アルム]
ハッ!わかっているさ!お前には国の王たる資格がないってことを言っているんだ!


[エリヒ]
ふう……き、貴様は疲れているようだな……
まあいい……頭を冷やして来い!もう、ここには来るな!


[アルム]
いいだろう!いますぐ消えてやる!俺は恥だからな!ハーッハッハッハッハ!


-アイゼン・アルムはまるで狂ったように笑いながら出て行った-


[エリヒ]
狂人者め!



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(310,272)内




[ユルゲン]
今何と言いました!?もう一度言ってみなさい!


[アルム]
何度でも言ってやる!ユルゲン、お前はちっとも美しくない!見苦しいだけだ!


[ユルゲン]
そ、そんな……わ、私にそんな言葉を言う人がいようとは……
あなたこそ、本当に汚い人間ですね!あなたがそんな人とは思いませんでしたよ!


[アルム]
ハッ!汚い?この俺が?言われるまでも無い!俺は汚れている!

だが、それがどうした!この世の中は全て汚れている!
俺だけではない、全てが汚れているのだ!ユルゲン、お前も汚れているのだ!
ハーッハッハッハッハ!


[ユルゲン]
わ、私を馬鹿にするなんて、絶対に許しません!
例え、この世の中が汚れているとしても、私を侮辱することは断じて許しませんよ!


[アルム]
ハーッハッハッハ!やはりお前は王になる器ではないのだ!
お前は単なるナルシスト、自分のことしか見えていないのだ!

俺は知っている!お前は美しい国を作ろうとしているわけではない!
単に美しいものが好きなだけだ!美しいもの以外は認めないだけだ!


[ユルゲン]
あ、あなたは……な、何を言っているのですか……


[アルム]
お前の召使の者が何人いなくなった!世話係が幾人いなくなった!
いくつの未開拓の村を葬ってきたんだ!


[ユルゲン]
だ、誰か……この者を外へ出しなさい!この者は狂っています!


[アルム]
――ああ、不愉快だ!見苦しい!


-アルムは怒りながら部屋から出て行った-


[ユルゲン]
未熟な人です、まったく!
ほ、本当の美とは……な…なんなのかわかっていない……ほ、本当にゴミのような人……です
全く……不愉快です!


-そう言うユルゲン王子の目は虚空を見つめていた-



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(318,276)


-アルム王子の部屋に入る前に中から声が聞こえた-


[アルム]
俺は利用された……のか。全ては誰かがシナリオを描いていたのだ……
なぜだ!なぜなんだ!どうしてなんだ!

絶対認めん!認めるものか!絶対に!

祖父のシュミッツ様……あなたなら……どうなさいますか?


-私は黙って扉を開けた-



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(318,276)内


[アルム]
すまないが……しばらく一人にしてくれないか……もはや……


-アルム王子は落ち込んでいる-



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(330,272)内




[アルム]
調子はどうだ?お前の頭には軍のことしかないか?


-アルム王子はヘルムト王子に侮蔑の声を投げかけていた-


[アルム]
強い群があれば、平和になるなどと、本気で思っているのか?
おめでたい奴だ!錯覚するにも程があるぞ、ヘルムト!


[ヘルムト]
ほー……俺様にそんな口を聞くとはな
そういう貴様も言葉の暴力を振るっているではないか!貴様こそ王になる器ではない!


[アルム]
そう、その通りだ!俺には王になる資格などない!
だが、お前は何なのだ!単なる戦争好きではないのか?ふざけるのもいい加減にしろ!


[ヘルムト]
俺様に喧嘩でも売りに来たのか?
いいだろう、喧嘩がしたいのであれば相手をしてやる


[アルム]
喧嘩?何の意味もない喧嘩などに興味はない!
わざわざ真実を言いに来たのだ!反省するがいい、ヘルムト!

お前は全て口封じをしたつもりだろうがな!
どれほどの者が、お前の狂った討伐によって亡くなったと思っているのだ!

お前はこの国のことなどどうでも良いのだ!
ただ、戦いが好きな狂人者だ!


[ヘルムト]
き、貴様は何もわかっていないようだな……
しかも俺様が決めたことで死んでいくものがいて何が悪い!
王たる者はそんなことでくじける弱さなどいらんのだ!


[アルム]
お前の道楽のような戦いで亡くなった者を一度でもちゃんと弔ってやったことがあるのか!
一度でも挨拶に行ったことがあるのか!

お前に口答えしただけで、葬った者だけでなく
一族もろとも流刑に処した者達をどうしたのだ!


[ヘルムト]
き、貴様……俺様に向かってそのような口を聞いて黙って出て行けると思っているのか!


-アルム王子は笑いながら、怒っているヘルムトを残し、部屋から出て行く-


[ヘルムト]
卑怯者め、逃げるのか!



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(336,276)内


[エルンスト]
そういえば……アルム兄さんの事で、変な噂を耳にしました
悪人になりつつある……だとか

こんなこと、今まで一度もなかった事です。単なる噂で終わって欲しいですが
もし本当のことなら……兄さんは何も言いませんし……心配です



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(348,272)内




[アルム]
ギャンブルが好きなくせに一国の王を語るだと?
寝ている赤ん坊も笑いそうなネタではないか。どうだ?リハルト家の王子よ


[ポー]
キミがどうして私に喧嘩を売るのかはわからないが
自分の立場を理解した上で言っているようには思えんな


[アルム]
フン!また善人振るつもりか?
俺は既に王の席は諦めているが、お前も既に負け組みなんだよ!


[ポー]
何を言っている?キミが言っている意味が理解できないな


[アルム]
お前にこの俺を理解することなどできはしない!
一生考えたって無理だろうよ!お前は心の病なんだ!

ギャンブル!
ギャンブル!
ギャンブル!

ギャンブル三昧じゃないか!
お前がそんなんだから、一族の資金は何も残っていないも同然だ!

身なりを良くして、少しばかりいい奴を気取ろうとしても無駄だ!

お前が日々失くしている物はこの国の民が苦労して治めてくれている大切な資産なのだ!
なぜ……その事を理解しようとしないんだ!

お前は王子と言うだけでこの候補にあがったことを自覚することもできないのか!


[ポー]
……あ、ああ。し、しかし……そ、それとこれとは違う……問題のはずだ


[アルム]
何もわかっていないようだな。哀れな奴だ……もうお前と話すことはない!


-アルム王子は部屋を出て行こうとした-


[ポー]
ちょ、ちょっとまてアルム!話はまだ終わっていない!


-アルム王子はポー王子の声を無視して部屋から出て行く-


[ポー]
い、一体何なんだ?変な奴だな。お金は使う為にあるんじゃないか……



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(354,276)内




[アルム]
ピーター。どうして意味の無い仕事をする?


[ピーター]
何故そんなことを聞くのか分かりませんが
世の中で意味の無い仕事などありはしないと思いますよ
アルム、あなたにも分かっているはずです


[アルム]
そいつは違う、ピーター。何をしても、無意味のこともあるんだ!

ピーター。友人として忠告しておこう
キミが密かに助けている者たちは、社会的な弱者ばかりだ

まあ、キミが弱者を助けようとしているのは知っていたよ
弱きものを助けている姿勢には共感を覚えるが、そうではない
ただ、キミのやり方では国を救うことはできないんだ


[ピーター]
私が過ちを犯していると言いたいのですね


[アルム]
そう、キミがやっていることは、一時しのぎの対応に過ぎない
「自ら学び、物を得る方法」を教えるわけではなく、物を直接あげてしまっている

それではその者が自立することなど、一生ないではないか

キミが優しいのは知っているよ。ただ……君のやり方では国を救うことは出来ないんだ


[ピーター]
……いつものアルムではないようですね。何があったのです?


[アルム]
キミが知ってどうする!俺は気がついたんだ!この現実を!
全てが無駄だと言うことを!

いつまでも、そうやって恵みを与えて、助けていけばいい!
ピーター、さよならだ!


[ピーター]
アルム、あなたは……


-アルム王子は寂しい表情で部屋から出て行く-


[ピーター]
………



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(336,276)内




[エルンスト]
……に、兄さん?今、何と言いました?


[アルム]
ルーンミッドガッツ王国はまるでゴミのような国だ!
そのゴミのような国の為に、俺もお前も、必死になる必要などない!そう言ったのだ!


[エルンスト]
兄さん、急にどうしたの!?いつもの兄さんらしくないよ!


[アルム]
エルン……違わないんだ。ただ現実が理解できただけだよ


[エルンスト]
現実って、何の現実!?いつもの兄さんらしくないよ!


[アルム]
分かってくれ……


[エルンスト]
うそ……だ
二人の力で、僕と兄さんで……
この国を美しくしていこうって
そう約束したじゃないか!
そう言ったのは兄さんなんだよ!?


[アルム]
……う、うるさい!


[エルンスト]
汚れたからと言って、この国を見捨てるなんてダメなんだよ、兄さん!
そんなこと、兄さんが一番よく分かっているはずだよ!もう一度考え直してよ、アルム兄さん!


[アルム]
うるさい……そういったはずだ


[エルンスト]
二人の約束はどうなってもいいの?そんな軽いものだったの?
どうしたんだよ……兄さんらしくないよ!


[アルム]
不満があるなら、約束通り、俺を殺せばいい!それで全てが済む!

もうお前に話す事はない!エルン、それじゃあな!ハーッハッハッハッハ!


-アルム王子は部屋を出ようとした-


[エルンスト]
待って兄さん!


-アルム王子は制止する声も聞かず、私に顔を見せないように部屋から出て行く-

-立ち去るアルム王子の背中は震えていた-


[エルンスト]
兄さん……アルム兄さん……



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(318,276)内




[アルム]
なんだ、あんたか


-アルム王子は不機嫌そうに私を向かいいれた-
-アルム王子は私に構わずエルンスト王子に話しかける-


[アルム]
前にも言ったが、俺は王になるつもりなど毛頭ない!それは今後も変わることはない!


[エルンスト]
兄さん!どうして!そんな弱い人だったの?なぜそんなに苦しんでいるの?


[アルム]
苦しむだと?この俺がか?そう見えるのか……ハハ……ハーッハッハッハッハ!


[エルンスト]
に、兄さん?


[アルム]
(俺はまた逃げるのか?まあいい……決心がついた)

エルン


-アルム王子はいつものようにエルンスト王子に呼びかけた-


[エルンスト]
うん?なんだい?


[アルム]
受け取れ


-アルム王子は自分の腰の短剣を鞘ごと抜き取ると、エルンスト王子に短剣を渡した-


[エルンスト]
こ、これはバルター家の宝剣バゼラルド!何故これを私に?


-エルンは渡された短剣に驚いていた-


[アルム]
ちょうどいい。今そこに証人もいることだし……
エルン、あの時の約束は覚えているか?


[エルンスト]
なに?約束って?証人って?兄さん……まさか!?


[アルム]
今がそのときだ、エルン!


[エルンスト]
む、無茶を言わないでよ!本当に出来るとでも思っているの!?


[アルム]
フフ……バカだなー。本来王と言う者は決断力がなければ、いけないものだ
俺は既に遅れを取ったのだ。寧ろ死んだ方が良いのだ。お前の手で……


[エルンスト]
兄さん、無茶言わないでよ。そんな約束、忘れてしまえばいい!
大した事ではないんだ!兄さん、死ぬ必要なんてないんだよ!


[アルム]
(しょうがないやつだな……)

エルン!お前はこんなときの決断もできないのか!

もういい!そんなやつは俺のそばにいる必要もないだろう!

こうなったら……俺の手で殺してやる!


[エルンスト]
ウワッ!な、何をするんだ、兄さん!


-グサッ!-

-エルンスト王子は呆然としている-


[エルンスト]
に、兄さん……なぜ、自分を刺したんだ!?


-短剣はアルム王子の心臓を深々と貫いていた-


[アルム]
フフ……これでいいんだエルン
この惨めな俺がいなくなれば、お前が王になる可能性が高くなる
お前はその可能性を充分持っている


[エルンスト]
兄さん!わからないよ!どうして!なんでそこまでやる必要があるんだ!


[アルム]
もういいんだエルン……ただなにがあっても、王になるのだ
この俺が死んでも、お前が王にさえなれば兄さんは満足だ……エルン


[エルンスト]
兄さんは……大バカだ


-エルンスト王子は大粒の涙を流していた-


[アルム]
そ、そこの審査委員の方……すべき事は、分かっているな?
あった事を正直に伝えるだけでいい

俺はあんたを信じてる。あんたは間違って伝えることはないと……

俺の意志を伝えられる稀有な人だ
俺の死はこれで…むだ……には………なら……ない……

ゴフッ


-――床に鮮血がほとばしる
それでも、アルムは私の目をじっと見つめて、私の言葉を待った-


[PC選択]
わ、わかりました
……


-私はアルム王子の意思を受け取ったことを伝えた-


[アルム]
もう安心して……眠れそうだ……な、長かったな……


[エルンスト]
兄さん……


[アルム]
これが最後の挨拶だな……さよなら、エルン……
はは、すまない……もう一緒に釣りにはいけないな……


[エルンスト]
に、兄さん!?


[アルム]
エ……ルン……


-アルム王子の腕から力が抜けていく-


[エルンスト]
兄さん!?


[アルム]
……いままで……
ありが…と…う……


-アルム王子は瞳を閉じた-


[エルンスト]
兄さん!にいさーーーん!


-エルンスト王子の声が大きく部屋にこだました-



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内2F 秘密の部屋(318,276)内


[PC]
(…………)

(彼はこの部屋で一体、何を考え、どんな心境で王になることを望んだのだろう?)

(これ以上……尋ねることも、調べることも出来ない……あとは……)


-アルム王子の最期を思い出す-


[PC]
(…………)


-彼の意思は受け取った。彼が残した真実を忘れるわけにはいかない-


[PC]
どうか、やすらかに……



ルーンミッドガッツの首都プロンテラ プロンテラ城内(117,163)


[審査官]
調子はどうですか?人を評価することは簡単なことではないですからね……
色々とご苦労様です


-私は今まで起こった真実、アルム王子とエルンスト王子のことを話した-


[審査官]
な、何ですって!?そんな事があったのですか!

まったく!アルム王子までそんな体たらくとは……


-私はアルム王子の最期について伝えた-


[審査官]
エルンスト王子の手で……そうでしたか

事情は分かりました。ありがとうございました
あなたは審査委員としての任務を立派に、やり遂げてくださいました
あなたの功績は大変大きな物です。今までのこと、大変ご苦労様でした


[PC]
(王子が死んだと言うのに、あまり驚かない様子に見える
何か他の理由でもあるのかな?)


[審査官]
ここで見た事、聞いた事は全て極秘事項になりますので口には気をつけてください
宜しくお願いいたします